イエベ、ブルベに惑わされないで、色を味方につける

世界基準のキレイの秘密、教えます

寺内紗幸さん(メイク・吉川康雄、ヘア・坂口勝俊、写真・星野耕作)

大手小町の読者さんにツイッターからメイクモデルを募集して、メイクの悩みをたくさん教えてもらいました。皆さんの悩みに答えていくために、モデルをお願いした会社員の寺内紗幸さん(38)にお話を聞きながら、僕がメイクをしていきました。前回はファンデーションを塗ったところまででしたから、その続きをお伝えしますね。

クマの気にしすぎは厚化粧のもと

寺内 コントロールカラーってどうなんですか? 一生懸命クマを隠す時、青っぽくなっちゃうからコントロールカラーを使っちゃうんですけど。

吉川 僕は使わないです。クマの反対色で消すという理屈ですよね。色が混ざらずに重なってくれたらその効果は出ると思うんですが、肌の上だとファンデやコントロールカラーの色が混ざって違う色になって濁るだけ。
目の周りとかっていろいろやるほどくすむのは、そのせいなんですよ。クマってそこまでしても消したくなるからいろいろ駆使すると思うんですが、完全に隠す必要ってあるのか考えてみませんか?

クマがあるとちょっと疲れて見えるけど、それと醜いは関係ないと思うんです。うれしい紅潮感や悲しい涙などと同じ人のいろんな状態を表すものだと思ったら、疲れて出るクマを化粧で隠そうとするのは、赤く紅潮してもそれが透けて見えもしない鉄仮面のような厚化粧の考えと同じではないでしょうか?

クマがちょっとある日なら、「大丈夫?」っていう会話も生まれるかもしれませんよね。それは悪いことでもないですし、時に大人のムードとして味方にすることも。もしこんなふうに考えられたら、闇雲に隠すんじゃなく、美しく魅力的な肌の質感にしつつ、その範囲でクマを目立たなくさせる。そして、美しくちょっと疲れた女性になれるんです。

お化粧って、ついやりすぎて気がつくと不自然になってしまう。アラも消せますが、人のいいところも消してしまうんですよね。大切なのはその加減。すごく大切なんですよ。

魅力的な白肌に仕上げるのに、もうひとつ大切なのは血色ですね。

イエベ、ブルベのホント

寺内 “パーソナルカラー(PC)”ってあるじゃないですか。あれでどんな色を使ってメイクしたらいいか、余計にわかんなくなっちゃったんですよね。

吉川 誰かが作った、ここ最近の新しいメイクの縛りですよね。PCっていうのは、自分の肌色に対する同系色のことを話しているんですよ。肌の黄みを強く感じる人(イエローベース=イエベと言いますよね)は、同系色の黄みのあるオレンジとかピーチ系がなじむ。静脈の青みと赤みを感じるようなピンク系の肌(ブルーベース=ブルベといいますね)なら、青みピンクが同系色で馴染みやすいっていうことなんです。だけど、それを“似合う”っていう言葉を使ったから、それ以外が似合わないっていうことになっちゃったんですかね。

本当のところは、同系色は馴染む。だけど、言い換えたら際立たないということ。その反対は似合わないじゃなくて、馴染まない。言い換えたら、際立つという反対色効果なんです。

反対色を組み合わせることで、お互いの色効果を高めるんですよ。だから、プロはあたり前に反対色を多用します。そして、それぞれの色の独自の雰囲気を楽しむのです。それを制限しちゃうPCっていう考えは、すごくもったいないですよね。

ほっぺに血の気を与えるチークのテク

イエベの人は青みピンクの頬紅やリップを少量で楽しめるということなんですよ。ということで、PCにこだわらないで、今日の頬の血色を選んでみます。

赤みがちゃんとあって、ちょっと青いこれはどう? これをものすごく薄くつけることで、メイク感のない自然な血色の表情が出るんですよ。赤の血色感とちょっとはかなげな青のニュアンスの二つの効果に加え、鮮やかさが顔のくすみ感まで抑えてくれるので、ぱっと明るくなるし。

ふつうにチークをつける位置ってあるかもしれないけど、忘れてもらって…。寺内さんは色白だから蒼白な感じでしょう? こんなふうに、ほっぺ全部に血の気を与えるイメージでこの色を混ぜてあげてください。

寺内 すごく広い範囲につけるんですね。でも健康的で色も自然!綺麗です!

吉川 さっきまで、指先だけが少しピンクで顔が蒼白だったのに、生き返ってきた感じでしょう? 素の唇の色もなんとなく生き生きと見えてきたから、さらにリップバームでツヤ感を足して生き生き感をアップさせます。

寺内 えー!クマも全然隠してないのに気にならないですね! 今日の朝は気になってたのに。

口紅はほんのり付ければ、どんな色でも似合う

吉川 化粧っぽさを消して、生き生きとした感じを強調するだけで、クマも気にならなくなっちゃう。少しくらい残っていてもね。
では、口紅で唇にも血色を入れましょう。これもPCなんてとらわれず、どんな口紅の色でもOKです。

ベタッてつけるとほとんどの口紅が似合わなくなるんですけど、こうやってほんのりとつけていくと似合わない色の口紅なんてなくなるんですよ!

寺内 これは私の元の唇の色に近いですね。

吉川 その色をちょっと鮮やかに強調する感じかな。で、ツヤを足す。好みで透明でもいいし、きらめき入りでもいいよね。どう? 違和感あるかな?

寺内 いや、全然ないですね。すごく効果を感じるのに。

色をつけるときは、違和感のない範囲で

吉川 寺内さんのように化粧慣れしてない人は特に、違和感を感じない範囲でやるっていうのが大切なんですよ。お化粧顔にするというより、最高に状態の良い自分にするというイメージ。

寺内 がっつりメイクが好きじゃないから、こんなのがいいですよね。

吉川 寺内さんはすごく目がはっきりしてるし、今日はもうすでに頬と口紅で華やかさが十分に出ているので、アイシャドーはほとんどなしでいいと思います。

寺内 普段アイシャドーをつけるとしたら茶が多いんですけど、くすんで見えるのでつけなくなっちゃったんですよ。

吉川 アイシャドーも堅苦しく考えないで、寺内さんのように目がはっきりしているなら、ほんのりと明るく雰囲気を出す程度に考えてみたら? 例えば、この頬につけたみたいなピーチ色をほんのりとのせるとか。

寺内 腫れぼったくならないんですか?

吉川 アイシャドーのその色にするっていう感じじゃなくて、ほどよくほんのりとまぶたに色をつける感じです。鏡で見ながら、違和感を感じないくらいに。それが自分らしいというバロメーターですよね。

寺内 明らかに全然違いますもんね。今までメイクレッスンとか行っても、決められた色を塗られて違和感がすごくって…。

吉川 わかります。でも“加減”を考えてできたら、どんな色でも自分の顔で遊べますよね。

寺内 普段はメイクするといつもキツく見られちゃうんですよ。でも今日は優しく見えますよね。最後の仕上げには、考えないでお粉つけてたけど、つけなくていいんですね。この方がしっとりしてるし自然です。
顔色もいいし、いろんなものが気にならない。最近は鏡見るのが嫌いだったんですけど。すごく嬉しいです。すごいですね!

吉川 最後は腕とかデコルテにこうやってクリームを塗って、しっとりとツヤを出す。手入れが目的だけでなく、見た目も綺麗になるんですよ。

吉川康雄さんの連載「世界基準のキレイの秘密、教えます」は、こちら。

 

星野耕作
星野耕作(ほしの・こうさく)
カメラマン

 1979年、東京生まれ。日本大学生産工学部卒 元メーカー子会社勤務 デジタルカメラの開発に携わる。写真家・テラウチマサト氏に師事しフリーに。現在、ポートレートを中心にファッション、ムービーも撮影、雑誌、カタログ、 CDジャケット等で活動中。

KOUSAKU HOSHINO PHOTOGRAPHY