知性と美貌を兼ね備えた女優 ナタリー・ポートマン

マリ・クレール スタイル

ナタリー・ポートマン(c)marie claire style/photo: Camilla Armbrus

 内側からあふれ出すインテリジェンスと均整のとれた美貌で、ハリウッドで不動の地位を築いた女優、ナタリー・ポートマン。幼い頃からショービズ界で鍛え上げてきた演技力を生かし、最近ではマスタークラス社と提携して演技のオンライン講座を開講するなど、その好奇心と行動力はとどまるところを知らない。年齢を重ねるごとに輝きを増す彼女が話題作、そして「ミス ディオール」の撮影での思い出などを語ってくれた。

「家族団らんから仕事モードへと切り替えることは、むしろ面白い」

 斬新な映像美でSF映画の歴史にその名をとどろかせたアレックス・ガーランド監督がメガホンを取った『アナイアレイション―全滅領域―』で、彼女は不可解な現象が発生する謎の多い領域“エリアX”に調査隊として潜入するレナ役を演じている。

 「この作品を通じて、私たちはやがて統一されるべき一つの世界にすぎない、とより強く思うようになりました。きっと宇宙から見たら、地球の小ささが分かるはずよ」

 作中では未知の生物と戦うアクション・シーンにも挑戦しているが、自身のことを、「物事を変革したり、冒険や人を愛したりするのも好きなタイプ」だと語る彼女にとって、今作で演じたキャラクターは適役だったと言えるだろう。

 もう一つの話題作『Vox Lux』(原題)では乱射事件に巻き込まれた過去を持つポップ・シンガーを演じ、夫であるベンジャミン・ミルピエが振り付けを担当したことも話題となった。

 「特別なことは何もないの。ただ、家で仕事ができるというだけよ。リラックスした家族団らんから仕事モードへと切り替えることは、むしろ面白いと感じたくらい」

 夫婦で一緒に仕事をした印象を彼女はそう語った。

 「それに彼は私のフィジカルな強さと弱さを知り尽くしているから」と、自分をケアすることの大切さを教えてくれたのもミルピエだったと彼女は続ける。

 「彼は私の意見に耳を傾けてくれて、あらゆる点で対等でいられる生涯のパートナーなんです。それに子供が2人いると優先順位も変わってくるから、他の人に割く時間が必然的に少なくなり、子供と自分自身を気にかけるすべが身につきました」

メイクは自分自身を呼び覚ます手助けをするもの

 女優と並行して、「ディオール ビューティ」のミューズとして揺るぎないアイデンティティーと崇高な美しさで、多くの女性たちの美意識に刺激を与えてくれるナタリー。彼女にとってメイクは「自分自身を呼び覚ます手助けをするもの」だと教えてくれた。

 「自分を守って、隠してくれることもある。派手な色のリップを使いたい時もあれば、顔に何もつけたくない時もある。そういった点でディオールは完璧。強いパーソナリティーや、自信に満ちあふれた女性像を大胆に体現できると思います」

ナタリー・ポートマン(c)marie claire style/photo: Camilla Armbrus

 フレグランス「ミス ディオール」の撮影では、南仏のアンティーブでヘリコプターに乗って、エキセントリックでありながらとても美しい光景が記憶に残っていることも教えてくれた。

 彼女はこれまでも性差別、トランプ大統領への批判など、自身の声を臆することなく発してきた。昨年1月にロサンゼルスで行われたウィメンズマーチで、彼女は欲望の革命について私たちの意識に突き刺さるようなスピーチを残した。

 「すべての女性が身の安全を感じられるようになるべきだと思います。そして、欲望を自由に表現して、自分の好きなことをしても、それが暴力につながることがあってはならない」

 そのスピーチの時の思いについてこう続ける。

 「当たり前のことですが、女性は自分のなりたい存在になることを恐れてはいけない。自分の思うように行動するべきだし、誰かの許可を得る必要などないんです。社会の意識を変えるのは、まだ長い道のりですが、#MeToo運動で一段階前へと進むことができたと思います」

 性差別が完全になくなるまでには長い道のりかもしれないが、彼女のような女優がいることで私たちは少しずつ前進することができる、そんな勇気をもらうインタビューだった。

 (c)marie claire style/interview: Fabrice Gaignault/realization: Sumire Taya

ナタリー・ポートマン(Natalie Portman)
女優

  1981年、イスラエルのエルサレム生まれ。84年、アメリカに移住。94年に公開のリュック・ベッソン監督の『レオン』でマチルダ役に選ばれ、映画デビューを果たし大ブレイク。以降、99年公開の『スター・ウォーズ』新3部作でヒロインのパドメ・アミダラ役を演じ、人気を不動のものにする。2010年のダーレン・アロノフスキー監督の『ブラック・スワン』では、心の闇に落ちていくバレリーナ役を熱演、アカデミー賞主演女優賞をはじめ様々な賞を受賞。12年より、「ディオール ビューティ」のミューズに起用される。

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