機械式時計女子 アイ・ダブリュー・シー…月の姿を映すダイヤル

マリ・クレール スタイル

 人類が初めて手にした“時を計るすべ”は、日時計でした。紀元前2000年頃のバビロニアでは、日時計を用いて昼夜それぞれを6等分していたとか。今の時計の針が右回りなのは、日時計の影が動く方向にならったから、との説も。

 地球が太陽の周りを1周する期間を1年と定め、地球の自転1周分を1日とし、それを24等分したのが1時間点……といった具合に、時間の単位は太陽と地球の動きから導き出されています。と同時に、月が満ち欠けする周期も、暦の単位として世界各地で使われてきました。

 いにしえの時計職人たちは、そんな日々移り変わる月の姿をダイヤルにとどめようと腐心し、ムーンフェイズという機構を作り上げました。最も伝統的で一般的なムーンフェイズは、月を描いたディスクをのぞかせる半円形の窓に突き出した2つの山が、月を隠して満ち欠けさせる仕掛け。「IWC」(アイ・ダブリュー・シー)の「ダ・ヴィンチ・オートマティック・ムーンフェイズ 36」も、このスタイルで月の姿をダイヤルに映しています。

浮かぶゴールドの月が姿を見せる。IWC ダ・ヴィンチ・オートマティック・ムーンフェイズ 36/自動巻き、ケース径36㎜、レッドゴールド、アリゲーターストラップ/185万円(税抜き)(c)IWC
IWC ダ・ヴィンチ・オートマティック・ムーンフェイズ36 IW459306/90万円(税抜き)(c)IWC

 ディスクには2つの月が描かれていて、月齢の2周期分で1周させることで、半円形の窓に1周期分の月の満ち欠けが表れる仕組み。月齢の1周期は29日12時間44分2.9秒で、多くのムーンフェイズは、これを便宜的に29.5日とし、ディスクがその倍の59日で1周するように作られています。そうすると、約2年8か月で1日分の誤差が生じることに。

 「IWC」は、このメカニズムを改良。歯の数が多いギアを用いることで、なんと、1日の誤差が生じるのは、577.5年後という驚異的な高精度を実現しました。つまり、何世代にもわたりこの時計が受け継がれても、ムーンフェイズは調整不要というわけ。

 ダイヤルの月の移り変わりは、まさに天体にある月そのものです。紺ぺきの空に星を従え、ゴールドの月が姿を変えてゆく。女性のからだや精神に影響を及ぼすとも言われる月の満ち欠けという宇宙の神秘を、「IWC」はより高性能にしただけではなく、美しく、そしてロマンティックに仕立て上げています。

 (c)marie claire style/selection, text: Norio Takagi

髙木教雄(たかぎ・のりお)
ライター

 1962年生まれ。時計を中心に建築やインテリア、テーブルウェアといった「ライフスタイルプロダクト」を取材対象に専門誌や雑誌で幅広く執筆。スイスの新作時計発表会の取材も、99年より継続して取り組んでいる。独立時計師フランソワ・ポール・ジュルヌ著『偏屈のすすめ。』(幻冬舎)の監修・解説も担当。

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