「私は性的虐待のすべての被害者の味方」 レディー・ガガ

マリ・クレール スタイル

レディー・ガガ(c)Getty Images

 2019年に入り、日本では女性アイドルが男性ファンに襲われる事件が明るみに出て、そのアイドルグループの運営などを含め、若い女性たちを取り巻く環境が問題視されている。しかし、日本にとどまらず様々な分野において性差別は世界的に根強く残っているのが現実だ。

 アメリカでは「#MeToo運動」によってわずかながら改善の兆しが見えてきた矢先に、性的暴行疑惑が浮上しながらもブレット・カバノー氏が最高裁判事として承認され、承認反対デモに集まった300人以上の人が逮捕された。それを受けて、多くの女性たちがアメリカ政府の対応に怒りの声を上げている。レディー・ガガもまたその一人である。

 08年にアルバム『ザ・フェイム』での衝撃的なデビュー以来、常にセンセーショナルでアーティスティックなパフォーマンスで私たちに驚きと感動を与えてきてくれたレディー・ガガ。セルフプロデュース能力にけている彼女の作品はミリオンヒットを飛ばし、世界的トップスターへと登りつめた。

 最近ではその活躍のフィールドを女優業にも広げ、初主演ながら映画『アリー/スター誕生』でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされている。同作品のサウンドトラックは世界86か国で驚異的なセールスを記録し、ガガにとってチャート最長首位のアルバムとなった。夢をあきらめそうになっていた女性、アリーが歌手としてスターへと登りつめていくストーリーはガガ自身とも重なり、改めて彼女が真のスターだと証明する作品となった。

レディー・ガガ(c)Getty Images

 世界中に多くのフォロワー(ファンを彼女は愛を込めてリトルモンスターと呼んでいる)を持つガガ。彼女の一挙一動に常に注目が集まり、発信するメッセージの影響力は絶大である。先日もラスベガスの公演中に、アメリカ政府機関の閉鎖、そしてLGBTを嫌悪するペンス副大統領を非難し、話題となった。

 そして、今年の初めにはR&Bシンガーの大御所R.ケリーの性的虐待疑惑を取り上げたドキュメンタリー番組「Surviving R.Kelly」が放送され、大きな反響を呼んだのを受け、過去にR.ケリーとコラボレーションしたレディー・ガガは声明を発表。

 13年にリリースされた「Do What U Want (With MyBody)」はR.ケリーをフィーチャーした作品だが、「私の体を好きにして」という歌詞の内容やミュージックビデオを含め後悔していると発言し、ストリーミング・サービスから曲を削除。R.ケリーとは今後、一切仕事をしないことを宣言した。

 被害者の女性たちに対し「1000%彼女たちを支持し、信じ、彼女たちの苦しみ、痛みに共感する」、そして「過去に戻ることはできないけれど、前に進み、セクハラ被害を受けた女性、男性、そして、あらゆる性のアイデンティティー、すべての人種の人々をサポートし続けることはできる」と発言し、この問題に迅速に対応できなかったことを謝罪した。彼女自身も10代の頃にプロデューサーからレイプされた経験があり、この事態にはかなり心を痛めていたはずだ。

 性差別だけでなく、ガガはアーティストとしての活動と並行して、いじめ撲滅運動や貧困、ホームレス問題への支援、若者を支援することを目的とした「ボーン・ディス・ウェイ財団」の設立など、社会貢献に誰よりも熱心に取り組んできた。

 「音楽は世界中で最も強力なもの。人種、宗教、国籍、性的指向、性別が何であろうと、私たちをひとつにする力を持っているの」

 レディー・ガガは音楽という強力な武器を手にこれからも多くの人を救い、勇気を与えてくれることだろう。

レディー・ガガ(Lady Gaga)
女優

  1986年3月28日、アメリカ・ニューヨーク生まれ。14歳からニューヨークのクラブでパフォーマンスを開始。2008年にすべての作詞作曲を手がけたデビュー・アルバム『ザ・フェイム』が4か国の音楽チャートで1位を獲得、1500万枚以上を売り上げる。09年、2枚目のアルバム『ザ・モンスター』をリリース。同アルバムからのシングル「バッド・ロマンス」と「テレフォン」が世界の多くのチャートで1位を獲得。10年、第52回グラミー賞で初のグラミー賞を受賞。11年、3枚目のアルバム『ボーン・ディス・ウェイ』も世界的に大ヒット。17年にはスーパーボウル第51回大会でハーフタイムショーに出演し話題に。カリスマ性の高い過激なファッションスタイルやパフォーマンスばかりでなく、LGBTへの理解やいじめ撲滅運動の呼びかけなど、常に社会へメッセージを送り続け、注目を集めている。

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