青森の自然と人々がつくるスキンケアの物語 “プロテオグリカン”

マリ・クレール スタイル

(c)Nathalie Lima Konishi

 人生には説明のつかない伏線が無数に張り巡らされていて、ある日ピースがそろうようにその意味を知るという瞬間がある。

 7年前、ある言葉が目に焼き付いた。“プロテオグリカン”─―青森の弘前大学で30年もの歳月を経て開発されたサケ由来の新しい美容成分─―、それはヒアルロン酸と同等以上の保水力を持つという。駆け出しだった当時はグリセリンの効力すら説明できない私でも、この聞きなれない成分にはなぜか興味を引かれ、胸が騒いだ。しかし、そのときはこれを採用した納得のいくコスメに出会うこともなく、いつしかプロテオグリカンはひとつの用語として記憶の片隅に置かれ、長らく思い出すことはなかった。

 2018年11月、私は生まれて初めて青森の地を訪れていた。“あの”プロテオグリカンを配合したスキンケアブランド、「ラヴィプレシューズ」の開発に携わった方々にお話を聞けるという機会に恵まれたのだ。このブランドの核となる「APGクリアリフト理論」は、りんご、サケ、津軽甘草を原料とする三つの自然由来成分によって構成されている。りんごの可能性に魅せられた弘前大学の前多博士は「くれないの夢」をはじめとする新品種開発や、成分分析を日々研究。氏いわく、独自開発されたりんご由来のAPセラミドには肌内部の水分を抱え込む働きがあるという。

(c)Nathalie Lima Konishi

 角弘プロテオグリカン研究所の米塚所長は、1970年代には1g、3000万円とも言われた希少なプロテオグリカンの量産化に成功したストーリーをはじめ、少量であっても肌にアプローチする作用の発見に至るまでを教えてくれた。

 三つ目の津軽甘草は、明治以降、国内栽培が途絶えてしまったものを同大学の前田博士を筆頭に再生。それに含まれるグリチルリチン酸は、前出の二つの成分が浸透しやすい肌へと整え、なめらかでツヤのある状態へと導く。もちろんこれらに加え、白神山地をはじめとする山々が包括する潤沢な水源が品質に好影響を与えていることは言うまでもない。

 旅の最後に訪れた全方位に広がる一面のりんご畑は、澄んだ空気に包まれた別世界にいるかのように錯覚すると同時に、研究者や農家の方、ブランド創始者の三浦氏などの積年のおもいの連鎖が静かに感じられ、胸が熱くなった。予想通り、「ラヴィプレシューズ」は咋年出会ったスキンケアの中で、製法のみならず肌実感の部分まで、真摯しんしな姿勢とウソのない効果が感じられたプロダクトだった。

左から、ラヴィプレシューズA.P.G 化粧水 150mL/7200円、同乳液 50mL/7500円、同クリーム 40g/8000円 (c)LaViePre

 りんごの花が咲く頃、必ずまたこの地を訪れようと思う。青森のスキンケアで磨かれた健やかな肌を携えて。

 ※記事内の商品価格はすべて、本体のみ(税抜き)の価格です。(c)marie claire style/selection, text, photo: Nathalie Lima Konishi

お問い合わせ先
株式会社ラビプレ/0120-282-844

小西俐舞ナタリー(こにし・りま・ナタリー)
ライター

 フランス人の父を持つビューティアクティビスト。モード系美容誌編集を経て独立後、日本や海外の美容媒体をメインに、コレクション速報や取材現場で得た美容メソッドなどを中心に執筆中。レインボータウンFMのラジオ番組「Nathalie’s Beauty Talk」では第2木曜と第1土曜にフランスの最新情報などを紹介している。

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