ホリデーシーズンはもう過ぎたけど、キラキラのドレスはいつみても気分が上がります。
1月7日、アカデミー賞の前哨戦と言える「第76回 ゴールデングローブ賞」が米国ビバリーヒルズで開催されました。賞の行方も気になりますが、やっぱり楽しみなのがセレブたちのドレス。
思わずマイベストを選びたくなる、退屈なんて無縁のスタイリッシュなドレスがレッドカーペットを華やかに飾りました。
ガガが王道ドレスを選んだ理由は、敬意の表明?
今年のゴールデングローブのヒロイン、とも言えるのがレディ・ガガです。主演作『アリー/スター誕生』は計5部門にノミネート。
ヒロインの座にふさわしいボリュームたっぷりのブルーのドレスは、つねにファッションに関しても我が道を行く彼女にしては王道すぎるチョイス?
でも、彼女が王道なドレスを選んだのには理由があるんです。
「Valentino(ヴァレンティノ)」のドレスは、同作品の過去のリメイク作でジュディ・ガーランドが着ていたドレスにそっくり。
これはガガのジュディへの敬意の表明とみられています。
宇宙っぽいシルバーヘアでスパイスを加えて、彼女らしさをプラスしているのが、ガガらしい。
ヒョウ柄に、ジャンプスーツ ドレスで冒険しているセレブたち
また、今年の傾向として攻めているドレスも多く見受けられました。
スタイリストに勇気づけられて、冒険ドレスに挑戦したセレブの代表がこのふたり。
アン・ハサウェイは、「Elie Saab(エリー・サーブ)」のヒョウ柄ドレス。可憐な彼女だけど、カラーレスのモードなメイクと合わせていつもと違うイメージ。
ジュリア・ロバーツは、「Stella McCartney(ステラ・マッカートニー)」のジャンプスーツ。
背面はドレス、表は光沢のあるパンツという個性的なデザインのスーツを抜群のスタイルで着こなしています。
ライン&シアー素材が今回のトレンド
今年とくに気になったのは、Iラインやロング&リーンのシルエットのドレスを着用している人が非常に多かったこと。
ローラ・ハリアーは、「Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)」のドレスに「BVLGARI(ブルガリ)」のジュエリーを合わせてゴージャスに。
ルピタ・ニョンゴの「Calvin Klein(カルバン・クライン)」のドレスは、3万5000のチェーンと2万のビーズを使用。重そう…。
ニコール・キッドマンは、「Michael Kors(マイケル・コース)」。ドレスの素材感やシルバーのボール状のバッグで未来的なコーディネートに。シャーリーズ・セロンのミニマムなリボンスタイルは、「Dior Haute Couture(ディオール・オートクチュール)」。
シアーな素材も人気でした。エマ・ストーンの「Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)」のドレスは、ロング & リーンのマーメイドシェイプにシアーな素材で、トレンドど真んなかなスタイル。
シアーシャ・ローナンも、「Gucci(グッチ)」のトレンドスタイルのドレスを着用し、耳もとのグリーンをアクセントに。きれいなデコルテにうっとり!
今回、大人気だったのがエミリー・ブランドの「Alexander McQueen(アレクサンダー・マックィーン)」のドレス。
「美術館に収蔵されるべきアート作品」とコメントするスタイリストも。
かわいいだけじゃない 多様な選択がレッドカーペットを盛り上げてる
これから始まるアワードシーズンのトレンドを決めるとも言われる、ゴールデングローブのドレス。
カラーもデザインも、可憐なスタイルというよりもシックでミニマム。凛としたスタイルが多かったのが印象に残りました。
2017年に拡がりをみせた「#MeToo運動」や、LGBTへの理解が深まっている社会状況も、少なからずレッドカーペットに影響を与えているのかも。
装うことは、「女性らしさ」や「かわいらしさ」とイコールだとは限らない。
あらゆる選択が可能ないまだからこそ、女性がタキシードを着たっていいし、ヒールだってマストじゃない。
選択の自由がドレススタイルをさらに楽しくする、そんな予感をくれた今回のゴールデングローブ賞でした。
文章:神田朝子