2019年春夏シーズン向けのミラノ・ファッションウィークでは、服だけではなく、新たなシューズトレンドが提案されました。今のうちから流れをつかんでおけば、次のシーズンに向けてのショッピングの参考になりそう。目立った新傾向はウエスタン、グラマラス、アートライクの三つ。世界的な3大憧れシューズブランドの新作を手がかりに、足元から装いを艶めかせるスタイリング術を手に入れていきましょう。
ウエスタン調のエッセンスを生かす
~Sergio Rossi(セルジオ ロッシ)~

米国西部開拓時代のムードを帯びたウエスタン調の靴を、ドレッシーな着姿に取り入れる提案が相次いでいます。ウエスタンの代表的なアイテムはカウボーイブーツやデニムシャツですが、ディテール面では短冊状の飾り「フリンジ」が新トレンドに浮上してきました。

「Sergio Rossi(セルジオ ロッシ)」は優美なハイヒールやブーツに、フリンジをどっさりあしらいました。たくさん垂らしたフリンジには、クリスタルビーズ風のキラキラしたパーツが輝いています。ウエスタン風味を生かしながらも、シャイニーなフリンジが足元にリッチ感を漂わせています。きらめきと揺らめきを足元に取り入れれば、コーデ全体がグレードアップできそうです。
グラマラスな華やぎと気品をまとう
~Giuseppe Zanotti(ジュゼッペ・ザノッティ)~

飾り気を封じ込めたミニマルなテイストが影を潜め、ゴージャスでデコラティブ(装飾的)な演出が盛り上がりつつあります。ダイナミックなモチーフや意外なフォルムを打ち出して、足元から着姿を盛り上げるおしゃれが来シーズンの新潮流になる気配です。
「Giuseppe Zanotti(ジュゼッペ・ザノッティ)」は「毎日がレッドカーペット(=映画賞授賞式のような晴れ舞台)」というイメージで、グラマラスな靴をいくつも披露しました。かかと部分にクリスタルをはめ込んだモデルや、ビジュー付きのもの、アシンメトリー(左右非対称)のものなどが登場。花びらの飾りを添えたドラマティックなタイプも提案されています。

ドレスアップした装いに取り入れるだけでなく、ジーンズやチノパンなどのカジュアルボトムスに合わせるコーディネートも楽しめます。
彫刻的なアートフォルムで格上感
~JIMMY CHOO(ジミー チュウ)~

現代アートの雰囲気を表現する靴も現れています。「JIMMY CHOO(ジミー チュウ)」は20世紀の彫刻家、コンスタンティン・ブランクーシにインスピレーションを受けたコレクションを発表。アート感覚のシルエットを描き出しました。
たとえば、かかとが垂直ではなく、やや斜めに傾けられています。彫刻的な美しさと官能的な起伏が同居するフォルムは、たおやかで凜々しく、格上ムードも漂うよう。アートのエッセンスを注ぎ込んで、靴を装いのキーピースに位置付けています。

アートライクなアイテムは着こなしにセンスや深みをもたらしてくれるから、おしゃれの切り札として活用できます。
靴をスタイルの中心に
来春夏のおしゃれトレンドは全体的に主張が強めでポジティブです。スポーティーやビーチ、アウトドアなどの気分を服に持ち込む提案が目立ち、アクティブな着映えに。そこに、ドレッシーさや紳士服風テーラリングなどが融合されていきます。
気品や手仕事感、上質素材などを感じさせるアプローチも勢いづく気配。靴でスタイルの雰囲気を決めるスタイリングは、来シーズンの新たなおしゃれノウハウになっていきそうです。