東京コレクション閉幕 表情豊かに日常の美しさ 

Beauty

 技術、素材遣い 独自性競う

 2019年春夏東京コレクション(東コレ)が閉幕した。若手の初参加が目立ち、得意とする技術やユニークな素材遣いで、独自性を打ち出したブランドが光った。

 15日から21日まで開催された東コレには、51ブランドが参加、うち21が初参加だった。

マラミュート(今野絵里撮影)

 ニットの技術に定評があるマラミュートは、設立5年目で初参加。デザイナーの小高真理さん(31)は、咲き誇るバラの花を配したニットのワンピースを見せた。特別なジャカード編みのバラは、着るうちに糸がほつれて、ある段階でほつれが止まる仕掛け。時の経過で表情を変える繊細な美しさがあった。

コトハヨコザワ(今野絵里撮影)

 同じく初参加のコトハヨコザワは、「日常にある美」をテーマに、前シーズンの試作品や生地、古着などを裁断して服に作り替えた。「身の回りの何気ないものも、組み合わせや提案の仕方でかけがえのないものとなることを伝えたかった」と、デザイナーの横沢琴葉さん(26)。

 東コレの常連ブランドは、素材遣いで存在感を示した。

ミューラル(今野絵里撮影)

 ミューラルは、オーストリアの画家、グスタフ・クリムトの絵画「接吻せっぷん」から着想。唐草や小花など4種の模様を流れるようにつないだオリジナルレースのコートに、金色のタンクトップを組み合わせ、華麗で美しい色遣いを見せた。

ミントデザインズ(西孝高撮影)

 ミントデザインズは、会場に箱形のオブジェを配して博物館の「標本」をイメージした演出。得意とするオリジナルの生地を使い、植物の葉やチョウなどをモチーフにした遊び心ある服を提案した。

まとふ(今野絵里撮影)

 服の裏側の物語に焦点を当てたのがまとふ。青森県の伝統工芸「こぎん刺し」をテーマに、「どういう土地で、どんな人が作った服かを丁寧に見せたい」と、デザイナーが青森の製作現場を訪れ、アイデアを膨らませる過程を映像でみせた。堀畑裕之さんは、「ネット社会で、服が消費される速度は増すばかり。映像や服の中に、伝統技術を残したい」。展示会のように服を間近でみせる演出とともに、失われつつある手仕事をいとおしむ姿勢が見えた。

 東コレは、若手の発掘を掲げ、スポンサーなどの協賛を受けて、主会場を無償で使える支援も行う。ただ、事業規模が小さい若手がショーを継続するのは難しく、近年は参加ブランドの入れ替わりが激しい。

 冠スポンサーのネット通販大手「アマゾン」主催で「AT TOKYO(アットトーキョー)」と題し、海外で発表している「アンリアレイジ」や「N.ハリウッド」の凱旋がいせんショーも行った。1000人近い人が集まり、盛り上がりを見せた。ショーを続けられる次世代のデザイナーをもり立てどう育てるのか、課題も残ったように感じた。(読売新聞生活部 野倉早奈恵、福島憲佑)