最近パリで面白い経験をしました。
私の好きなマレ地区を歩いていると、木製の扉に麻の暖簾が垂れ、金のセラミックの看板がまぶしい店を発見しました。「ここはパリなのに、京都のお店ができたのかしら?」と思いながら、「Maison Suisen(メゾン・スイセン)」と書かれた看板を見るなり、好奇心旺盛な私はすぐにその暖簾をくぐって中へ入ってみることにしました。

お香の香りと焙煎した茶葉の匂いが店内に漂い、私はすぐにこの蜃気楼が純和風のウェルネスサロンであることを認識したのです!
香りに魅了されるだけでなく、店内のインテリアにも脱帽しました。まさに本物の“旅館”を再現したこの店は、優美でオリエンタルな世界そのものなのです。床から天井まで、細部にわたりすべて計算し尽くされたデザインは、オーガニック素材にこだわり、竹、藁、杉、和紙など日本のデザインコードで表現されています。

純粋さと貴重さ、影と光、強さと弱さ……。その完成度は豪華! と言えるほどの贅沢な空間です。そして店内には、旭川の家具、掛川のお茶、そして今治のタオルなどが日本各地から集められています。このウェルネスサロンはパリで本物の日本が体験できる珍しい場所なのです!
まず靴を脱いで(パリでは靴を脱ぐ場所は珍しいのです)2階へ上がると、畳の床に布団が敷かれたマッサージのキャビンが広がっています。障子や襖など、本当に夢を見ているような感覚で、一瞬、ほっぺをつねって現実であることを確認しました。

焙煎したお茶を頂き、丁寧なおもてなしを受けた後、オーガニックリネンの甚平に着替えてマッサージを受けます! メニューは伝統的な指圧、オイルマッサージ、フェイシャル、そしてシルエット矯正の4つで、日本人のマッサージ師からエネルギーをもらうと同時に、セラピーのようにリラックスでき全身をリフレッシュさせてくれるのです。1時間のリラクゼーションのあと、最後に緑茶と抹茶のマカロンを堪能して終了です。
この素晴らしい儀式のような体験をしたあとは、大好きな日本がすぐ近くにあるように感じられ、うれしさがこみ上げてきました!
(c)marie claire style
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