ミラノサローネで注目!日本デザイナーの粋な家具

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「La DOUBLE J」のテキスタイルを使った家具のシリーズ

 イタリア・ミラノで開催される世界最大級のデザインの祭典が「ミラノデザインウィーク」です。国際家具見本市「ミラノサローネ」をはじめ、インテリアの最新トレンドが次々に発表されるため、世界各国からバイヤーやジャーナリストが集まります。この春、ミラノを訪ね、どんな新しい暮らしの提案があったのか見てきました。

世界各国からの来場者であふれる会場

 今回、家具見本市には1841社が出展。6日間で188の国と地域から、過去最高の約43万人が来場する盛況ぶりでした。サローネの主催団体のクラウディオ・ルーティさんは「世界のデザイン関係者が集い、ビジネスだけでなく、アイデアや文化が交流する唯一無二の見本市となっている」と話していました。

フグにちなんだ座り心地って?

 見本市では、ブースを設けて新作家具やインテリア用品を展示します。約7割がイタリアのメーカーで、厳しい審査があるため、日本からは5社のみ。ただ、複数のイタリアのメーカーが日本人デザイナーと協業したり、日本に刺激を受けたデザインを発表したりしていました。

深澤直人さんデザインのRoundish

 広島県を拠点とする「マルニ木工」が発表したのは、深澤直人さんがデザインした「Roundish」と名付けたアームチェア。背もたれと、ひじ、座面が一体になった木の椅子で、包み込まれるような座り心地。ジャスパー・モリソンさんによる「Fugu」と名付けた無垢材をふんだんにつかった椅子は、クッションや張り地がなくても最高の座り心地を追求したそうです。ジャスパーさんは来日したときに食べるフグが大好物でこの名がついたのだとか。

「Fugu」という名前のついたイス

 深澤さんは、イタリアの「Plank」というメーカーからも「LAND」という名の、室内でもアウトドアでも使えるラウンジチェアを発表していました。

LAND

テディベアの照明がかわいい! 

 日本の「リッツウェル」が提案したのは、障子のように開閉する「JABARA」と名付けたサイドボード。

 岐阜の「飛騨産業」は、枝の美しさを生かした同じ物がふたつとない家具「Kinoe」がユニークでした。

枝の美しさを生かしたKINOE

 プラスチック家具で知られるイタリアの「カルテル」は、ひときわ大きなブースで展示していました。吉岡徳仁さんによる、メッシュのような構造のプラスチックのイス「マトリックスチェア」は、2年以上かけて製品化されたそうです。

マトリックスチェア

 カルテルは、ファッションブランド「モスキーノ」とコラボしたテディベアのかわいい照明や、ファッションブランド「La DOUBLE J」のテキスタイルを使った家具のシリーズなど、ファッション分野との協業に力をいれていました。

テディ・ベアのかわいい照明

 

 イタリアの「ミノッティ」からは、日本の佐藤オオキさん率いるNendoが手がけた「Tape」という名のパーソナルチェアやソファが発表されました。

Tape

狭い台所が人気に

 日本からの出展企業で今回ひときわ注目を集めたのが、住宅設備メーカー「サンワカンパニー」です。おしゃれなコンパクトなキッチンを提案し、同社は1841社の中から優れた出展企業を表彰する「ミラノサローネアワード」を受章しました。欧米といえば大きなキッチンをイメージしますが、実は、世界的に都市部の住宅は狭くなる傾向にあるそうで、問い合わせが殺到しているそうです。

ミラノサローネアワードを受賞したコンパクトなキッチンの提案

 シンプルで一見つつましやかな形をしているのに、裏に快適さや収納力などの工夫がほどこされている。そんな着物の裏地でおしゃれを楽しむような、日本発の粋な形が今後、人気を集めそうです。

 (読売新聞生活部・谷本陽子)