ボトムス専門ブランドで下半身をすっきり見せる

宮田理江のモード日和

 パンツやスカートなどボトムスの上手な選び方を身に着けると、スタイルが決まるようになります。ボトムスに特化したブランドは、細部にこだわった作り込みで、シルエットを美しくみせてくれます。パンツ専門の「NUMBER M(ナンバーエム)」とスカート専門の「SHE Tokyo(シートーキョー)」を通して、ボトムスの選び方をつかんでいきましょう。

NUMBER M(ナンバーエム)

 セミオーダーをメインとし、ファッションのプロからも高い評価を受けている中村三加子氏のブランド「MIKAKO NAKAMURA(ミカコ ナカムラ)」。そのパンツ専門ラインが「ナンバーエム」です。特徴の一つがベルト不要のウエストゴム。特殊な加工を施したゴム(エラスティック)のおかげで、楽ちんなはき心地。窮屈な締めつけ感がないから、伸びやかな気持ちで過ごせます。

 ベージュのパンツは、タックが入ったマニッシュなモデル。ムードを生かして、メンズテイストの着こなしにできます。ウエストゴム部分がハイウエスト風に見えて、脚を長く見せてくれます。

 両サイドにラインが走るホワイトパンツは、シンプルなトップスで合わせて、アクティブな雰囲気に仕上げています。

 スキニーパンツの上からオーガンジー布をまとわせた2層タイプは、ドラマティックな着映え。ドレッシーな席にも着ていけそうです。

 パンツに用いられる技術や素材はめざましく進化しています。一昔前のウエストゴムには耐久力や安定感などの面で心配なイメージもありましたが、「ナンバーエム」のゴムは自然に伸びて、しかも、へたりにくい特殊加工が施されています。ウエストラインを美しく保つよう、ゴムの強度も調整されていて、フィット感が高くなっています。ウエストゴムの外側の見える部分に色・柄を添えて、装飾性を高めているおかげで、おしゃれなベルトを巻いているかのようです。

楽ちんだけどきれいめ

 「ウエストゴムのパンツであるということを忘れてはいてほしい」というのがブランド側の思いです。しっかりウエストをホールドしているので、緩みを織り込み、ワンサイズ下を選んだりしないで「普通のパンツ同様にサイズを選ぶのが、きれいにはくコツ」だそうです。ウエストゴムが楽ちんなのに、きれいめルックに仕上げやすい見栄えは、欲張りな現代女性の心をつかんでいます。

SHE Tokyo(シートーキョー)

 経験豊富なデザインチームによる「シートーキョー」は2017年春夏シーズンにデビューした、まだ若いブランドです。でも、「スカート専業」ならではのこだわりや作り込みが評価されて、早くもファッション業界で支持が広がっています。

 スカートはどのレディースブランドでもほぼ毎シーズン、企画される主力アイテム。ところが意外にも、シャツやパンツ、ワンピースなどに比べると、スカートだけに絞ったブランドはあまりありません。「シートーキョー」は選択肢が豊富で、好みのタイプを見つけやすくなっています。

 グリーンをベースにしたボタニカル(植物)柄のボリュームスカートは、布を贅沢ぜいたくに使い、くびれと裾広がりが生む「フィット&フレア」のシルエットを描いています。

 フェザーツイードとシフォンプリーツの異素材を組み合わせた、複雑な風合いのホワイトスカートには愛らしさと品格が同居。後ろ姿がエレガントに見えるのも特徴です。

 背中側に凝ったラッフルをあしらったタイプは、さらに優美な後ろ姿。シフォンプリーツとの2層仕立てになっていて、シンプルなトップスと合わせても、スカートが存在感を示してくれるから、サマールックで重宝しそうです。

 「出過ぎず、存在感のあるたたずまい」というコンセプトの通り、大人の気品や愛らしさを兼ね備えたデザインが用意されています。優雅な分量感のあるシルエットには、スカートならではのフェミニンな持ち味が感じられます。裾下からのぞく足首が華奢きゃしゃに見えるよう、丈感のバランスに気を配っています。

バランスにメリハリを

 スカートの上手な着こなし方については、「ボリューム感のあるスカートにはコンパクトなトップスを、タイトスカートにはボリュームトップスをと、バランスにメリハリをつけると、スカートをより美しく見せられます」とブランドからのアドバイス。あでやかな素材のスカートには、マット(つや消し)な質感のトップスを合わせるといった具合に、風合いのコントラストを意識したスタイリングも提案しています。

 パンツとスカートの両方に共通して言えるのは、背筋を伸ばした状態で歩いたとき、最もきれいに見えるということです。トップスとの対比、靴とのバランスもボトムスの見え具合を左右します。ベルトを垂らしたり、レッグウエアで雰囲気を変えたりといった小技も有効です。

 ボトムス専門ブランドは、オリジナルな工夫やアイデアが注ぎ込まれている点で頼りがいがあります。一般的なボトムスには見られないような目配りが行き届いているので、これまでのボトムスに不満を感じていた人にとっても、自分好みの「相棒ボトムス」を見つける助けになってもらえそうです。

宮田理江
宮田理江(みやた・りえ)
ファッションジャーナリスト

 ファッションブランドの販売員としてキャリアを積んだ後、バイヤーやプレスも経験してジャーナリストへ。海外コレクションのリポートや次シーズンのトレンド予測、着こなしのアドバイスといった原稿執筆のほか、セミナー・講演なども手掛けている。著書に「おしゃれの近道」(学研パブリッシング)など。

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