「ヘルシー」のワナ、誤解だらけのダイエット

ダイエット

和食を選ぶと糖質の取りすぎになるかも……

 「ステーキ」と「カレイの煮付け定食」があったら、どちらを選びますか? 「カロリーが低い」「太りたくない」と和食を選ぶ女性は、多いのではないでしょうか。「和食はヘルシー」という気持ちはわかります。確かに和食は栄養バランスも良く、カロリーもそれほど高くならない食事のスタイルです。でも、必ずしも「太らない食事」とは言えません。

 その理由は二つあります。一つは、糖質が多いこと。糖質は、「甘いもの」と誤解されがちですが、炭水化物から食物繊維を除いた分で、野菜や海草などにも含まれます。食品によって含まれる量が違い、同じ100グラムを食べるなら、ご飯はステーキの付け合わせのジャガイモより糖質が多い。煮物や酢の物など砂糖を使った和食のおかずも意外と糖質が多いのです。

 糖質は、体内でブドウ糖に変わり、細胞を動かすエネルギーとなる、体に欠かせない大事な栄養素です。しかし、エネルギーとして使いきれなかった「過剰分」は、中性脂肪となって、内臓や皮下に蓄えられていきます。その結果、太ってしまうのです。

 二つ目の理由は、和食はアブラ(油脂)が少ないこと。アブラが少ないと聞くと、体に良さそうに思えますが、それは大きな誤解。むしろ、健康維持や太りにくい体をつくるには、油脂をある程度とるほうが良いのです。

 体内の脂質は「中性脂肪」「脂肪酸(遊離脂肪酸)」「コレステロール」「リン脂質」の4種類に分けられ、細胞を元気にし、脳、神経、皮膚などを健やかに保つために欠かせない栄養素です。「アブラものは太る」と思い込み、動物性の「脂」も植物性の「油」もNGにしてしまう食べ方はお勧めできません。極端にアブラものを減らすと、細胞が活力を失い、抵抗力が落ちるといった健康面の弊害を招く恐れがあります。髪がパサつく、肌がカサカサになるなど美容面の悪影響も考えられます。

炭水化物だけの食事はNG

 油脂は、腹もちにも影響します。炭水化物だけの食事は、消化・吸収が早いため、たくさん食べても2時間程度でおなかがいてしまいます。一方、油脂は消化吸収に時間がかかります。個人差はありますが、食事にアブラものが加わると、4時間は食べ物が胃にとどまってくれます。腹もちがよくなる分、空腹感が起きにくくなり、食べ過ぎを防ぐことができます。

 例えば、昼食を蕎麦そばにするなら、ざる蕎麦の大盛りを選ぶより、普通盛りの天ぷら蕎麦のほうが腹もちは良くなります。ざる蕎麦だけでは、炭水化物しかないので、大盛りにしたとしても空腹感が早く訪れ、夕食の食べ過ぎにつながりやすくなります。

 どちらも、500キロ・カロリー程度ですが、アブラを取れる天ぷら蕎麦のほうが結果的に太りにくい可能性が高いのです。

アブラと上手くつきあう

 とはいえ、油脂は1グラムあたり9キロ・カロリーで、炭水化物やたんぱく質の4キロ・カロリーより高カロリーですから、取り過ぎれば肥満を招きます。

 「太りにくい食事法」のためには、脂質や糖質に偏りがちなコンビニ食やファストフード、揚げ物を取り過ぎないように食生活を見直すことも大切です。アブラと上手につき合うことを心がけてください。

太らない食べ方のコツがわかる、新常識クイズが始まります

 アブラの多い食事はカロリーが高いから太る。間食をすると太る。肉より魚を食べた方がいい……などなど。みなさんが信じている「太らない食べ方の常識」は、すべて正しいのでしょうか? ある時期、「コレがダメ、コレがいい」とされたことも、その後の研究や調査によって新たなエビデンス(科学的証拠)が出てきたことで、180度の大逆転が起こることがあります。

 空腹を我慢しないでおいしく食べられ、なおかつ太りにくい。栄養学に基づいた食事法をクイズ形式にして、管理栄養士・足立香代子さんの監修・解説でご紹介します。

「太らない食べ方 新常識クイズ」⇒

足立香代子(あだち・かよこ)
管理栄養士

 臨床栄養実践協会理事長。せんぽ東京高輪病院(現・東京高輪病院)名誉栄養管理室長。中京短大家政科食物栄養専攻卒業。講演会などを通じ、管理栄養士の育成にも尽力。主な著書に『太らない間食』(文響社)、『最新! 太らない食べ方「食べないでやせる」は大間違い!』(廣済堂出版)など。

一般社団法人臨床栄養実践協会

 『最新! 太らない食べ方「食べないでやせる」は大間違い!』 (廣済堂出版/918円・税込み)

 太らないために油や肉をひかえた食事にしたり、間食やおやつをがまんしたりすると、かえって太りやすくなるという衝撃の事実。太らず、体にもよく、心も満たされる食事や間食の夢のようなルールを最新の栄養学に基づいて紹介。健康診断ではわからない「血糖値スパイク」(食後に血糖が急上昇すること)の害とその予防にも触れ、わかりやすく解説します。