ウエディングドレスのカリスマ、ヴェラ・ウォンの魅力

マリ・クレール スタイル

類まれなセンスでセレブリティーを魅了

 1949年、ニューヨークで中国系アメリカ人として生まれ、少女時代はフィギュアスケート選手として全米選手権にも出場した異色の経歴を持つデザイナー、ヴェラ・ウォン。

 米版『ヴォーグ』や「ラルフ ローレン」でファッションエディター、デザインディレクターを務めた後、ウエディングブランドを創設。数多くのセレブリティーをファンに持つ有名ブランドに成長し、日本でもウエディングドレスの人気トップクラスを誇る。固定概念にとらわれずウエディングドレスの新しい形を常に提案し、数々の世界的な賞も受賞してきた実力派だ。

 ファッションの要素をブライダルウェアに注入し、高い評価を得ているデザイナー、ヴェラ・ウォン。ファッション業界への最初の足がかりとなった米版『ヴォーグ』で誌史上最年少でファッションエディターに就任し、「ラルフ ローレン」ではデザインディレクターを務めた。

 1989年に結婚を控えてウエディングドレスを選んでいた際、自分が本当に欲しいドレスが全く見つからないことにがっかりしたヴェラは、結局自分でデザインしたウエディングドレスを、ドレスメーカーに依頼してカスタムメイドで制作した。この出来事をきっかけに、ブライダルビジネスがこれから大きく伸びる可能性があると確信し、90年、ニューヨークのマディソン・アヴェニューにサロンを開店。世界的な人気デザイナーによるブライダルウェアは、一部の限られた常連客の手にしか届かないという状況の中、見事にニッチビジネスを展開する手がかりを得たのだった。

 類まれなセンスは、マライア・キャリー、ヴィクトリア・ベッカムといったセレブリティー達も魅きつけ、ヴェラのウエディングドレスを身につけた彼女達の結婚式が世界的に報道されると、「ヴェラ・ウォン」の名前は瞬く間に有名になっていった。スタイリッシュで印象に残るウエディングドレスは、アリシア・キーズ、チェルシー・クリントン、イヴァンカ・トランプ、キム・カーダシアンといった有名人達も着用し、またヴェラのウエディングドレスをまとったバービー人形まで登場した。

 ウエディングウェア以外のアイテムも幅広く展開するなか、レッドカーペット上に映えるドレスとしてヴェラのイブニングドレスが評価され、シャーリーズ・セロン、キーラ・ナイトレイ、ミシェル・ウィリアムズ、サンドラ・ブロックといったスター達がこぞって着用した。

ブライダルウェアの常識を覆した新たなチャレンジ

 少女時代のヴェラは、全米選手権で5位を獲得するほどの実力を兼ね備えたフィギュアスケート選手で、オリンピックへの出場は逃したものの、自身が競技を行うなかで培った知識や経験をスポーツウェアのデザインに生かし、着心地のよさ、動きやすさが好評を得て、世界のトップスケーター達のコスチュームデザインも手掛けている。

 2000年にプレタポルテのコレクションに進出した後には、フレグランス、アクセサリー、ハウスウェアに至るまで、様々なカテゴリーにビジネスの裾野を広げてゆき、ブライダルビジネスからライフスタイルブランドへと展開していった。

 ファッション業界に大きな影響を与えた功績として、05年にウィメンズウェア・デザイナー・オブ・ザ・イヤーを、13年にジェフリー・ビーン生涯功労賞をCFDA(アメリカファッション協議会)より受賞し、そして今年2月にはフランスとアメリカの文化交流への貢献によって、フランスでレジオンドヌール勲章も受章した。

 今年の春にはニューヨークでブライダルコレクションを発表し、ダークな雰囲気を漂わせたロマンティックなドレスを引き立たせるパンクスタイルの髪形や、暗色で縁どられたアイメイクを取り入れ、ブライダルウェアの常識に対する新たなチャレンジを試みた。クレープ生地の前衛的なドレスや、優美で繊細なレースのドレスなど、バラエティー豊かなシルエットや生地が披露され、また、リボンや花のアクセサリー、ケープなどに、黒が効果的に用いられた。

 数多くの選択肢の中から、「ヴェラ・ウォン」2018年スプリングコレクションの、想像力に富んだウエディングドレスを選んだ花嫁には、間違いなく強い記憶が残るだろう。

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