「ランバン」の伝統に新しい息吹をもたらす 気鋭の女性クリエーター

マリ・クレール スタイル

「インスピレーション源は、愛情と情熱に満ちた創業者ジャンヌ・ランバンのクリエーション」ブシュラ・ジャラール(c)Courtesy of Lanvin

 フランスでもっとも長い歴史を誇るメゾン「ランバン」の新しいデザイナーとして、今世界中の注目を集めるブシュラ・ジャラールに、その心意気とメゾンへの想いを独占インタビュー。

 フランスを代表するメゾンで経験を積み、自らのブランドを立ち上げ、着実にキャリアを築いてきたブシュラ・ジャラール。「ランバン」という伝統あるメゾンのウィメンズ・アーティスティック・ディレクターに抜擢された時の想いを次のように語る。

 「私は、元々フランスのモードの歴史にとても興味があり、20年という自分のキャリアのなかで、クリエーションと美について学んできました。その経験を重ねた後に、ランバンという歴史あるメゾンからオファーがきたことは、私にとってとても光栄であり、特別な意味を持つ出来事でした。ランバンのストーリーは、創業者のジャンヌ・ランバンが愛娘のために作った子供服から始まっており、その娘への愛情がクリエーションへの情熱となっていました。同じ女性としてとても共感できるストーリーです。そして、自らメゾンを立ち上げ、40年にわたってクリエーションを続け、モードの歴史を作り上げた彼女を私はとても尊敬しています」

 その言葉の通り、ブシュラのデビューシーズンとなった2017年春夏コレクションでは、ジャンヌ・ランバンのアーカイブピースにインスピレーションを得た、彼女への特別な想いを感じるスタイルが発表された。

2017年春夏コレクション。メゾンの美意識が甦るタイムレスな現代スタイル。ブシュラ・ジャラールにとって「ランバン」で初となったランウェイ・ショー (c)Courtesy of Lanvin

 「ランバンに入ってから、すぐにメゾンの歴史とアーカイブを勉強しました。私がとても興味を持ったのは、ジャンヌ・ランバンのクリエーションのベースとなっているテクニックです。流れるようなドレーピングの美しさと、しっかりとした構築的な服作りの2つが特徴的でした。私は、そういったタイムレスな表現をできるだけ取り入れ、その特徴を生かすための素材や色を選ぶことにしました。黒と光の反射、白やアイボリーで表現する微妙なニュアンス。白と黒、ピンクと黒、パステルカラーと黒というコントラストのあるカラー同士のグラフィカルな組み合わせにも惹かれました。例えばシルエットがシンプルであっても、色のコントラストを強調することによって、強い印象の服になるのです。とにかく、ジャンヌ・ランバンのクリエーションを通して、ランバンらしさとは何かを追求しながら、現代の女性のための服を作りたいと思いました」

 その後、1月に発表した2017年プレフォールコレクションでは、ゼラニウムの花をイメージしたレッドカラーやアーカイブプリントが印象的なスタイルを、3月の2017-18年秋冬コレクションでは、女性らしくエレガントなイヴニングウェアの数々と、さらに洗練されたクリエーションを披露し、「ランバン」の新しい時代を更新し続けているブシュラ・ジャラール。

 「ランバンは、インスピレーションに溢れる特別な場所。今の私にとってすごくポジティブな存在で、プラスのエネルギーそのものなのです。その原動力が、私のすべてのクリエーションを生み出していることは確かです」

Bouchra Jarrar(ブシュラ・ジャラール)
ウィメンズ・アーティスティック・ディレクター

 仏・カンヌ生まれ。「ジャンポール・ゴルチエ」「バレンシアガ」「クリスチャン・ラクロワ」を経て、2010年に自身のブランドを設立。2016年3月に「ランバン」のウィメンズ・アーティスティック・ディレクターに就任。

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