思春期を過ぎた頃から、美術史への関心はさらに強まり、パリの中でも「オルセー美術館」が私の心の拠り所となりました。なぜなら、私の好きな19世紀のコレクションが豊富に揃えられ、世界でも類を見ないほどの数の作品を所蔵しているからです。

オルセー美術館誕生までの歴史はとても豊かですが、波乱に満ちていることをご存じでしょうか?
この建物は1810年に宮殿として建てられ、その後パリコミューンの時代(1871年)に、ほかの政治的な建築物同様に破壊され、再び1900年のパリ万博の時に巨大で近代的な鉄道駅として、多くの訪問客のために建て直されたのです。しかし、20世紀に入るとこの駅は徐々に忘れ去られてしまい、1986年に今度は19世紀後半以降の絵画や彫刻を所蔵する美術館へと変身させるため、10年にもおよぶ工事の後、完成したのです。
もちろん美術館は長年にわたって徐々に進化しているのですが、それでも私は目をつぶって歩けるほど、隅々までどこに何があるかを覚えています。この美術館はマネの「草上の昼食」などを所蔵していて、パリではルーヴル美術館と同じぐらい有名ですが、館内の雰囲気がとても心地よく、午後の静かなひと時をゆっくり過ごしたり、時にはロマンティックなデートの場所としても使えるのです。
常設展の他にも企画展が充実していて、時に衝撃的なものもあり、美的で見事なセノグラフィー(舞台美術や空間演出)も圧巻です。展示フロア以外にもお薦めの場所があり、それは美術館見学の休息にぴったりの(おそらく傑作を見続けて圧倒されてしまうと思うので)、館内にあるレストランです。まさに第二帝政時代のパリに遡ったような見事な装飾の中で、しばし休憩してみてはいかがでしょうか?
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