SNS発ブランド アパレルメーカーが企画

新ブランド「トゥー・フェイシーズ」の商品企画に参加したインフルエンサーの女性たち(東京都内で)

人気投稿者と新商品 フォロワーの購入期待

  ツイッターやインスタグラム、動画サイトなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で影響力がある投稿者「インフルエンサー」とアパレルメーカーが組み、服やアクセサリーを開発する事例が相次いでいる。多数のフォロワー(閲覧者)による購入が見込めるため、こうした協業は今後も増えていくとみられる。

 アパレル大手のオンワードホールディングス(東京)は、ファッション動画サイトを運営するCチャンネル(東京)と婦人服の新ブランド「トゥー・フェイシーズ」を設立し、3月15日から通販サイトで販売を始めた。

 Cチャンネルは、女性モデルらが投稿者となり、動画で洋服の着こなしや髪形などを紹介。月間の総再生回数は6億回を上回る。紹介した商品が人気を集めていることにオンワードが着目し、新ブランドを作ることになった。

「エイミー・イストワール」では、インスタグラムで紹介した服を、通販サイトで買えるようにしている

 商品企画には、20代の人気投稿者2人が加わった。商品は、襟や袖を付け外しできるブラウスなど複数の着こなしが楽しめる服が中心だ。投稿者の清水 愛美まなみさん(25)は、「オフィスで着る無地のシンプルなワンピースが、裏返すとレースになり夜のパーティーにも着ていける。1着で2通りのおしゃれができてお得感もある」と話す。

 価格帯はブラウスで税抜き約4000~6000円、ワンピースで同6000~8000円。オンワードの他ブランドより低めで、顧客を若年層に広げる狙いがある。

 アパレルメーカーのストライプインターナショナル(岡山市)も、インフルエンサーと協業した新ブランド「イーハイフンワールドギャラリー サーカス」を作った。10~20代女性に人気のインフルエンサーにデザインを依頼している。

 商品の画像をインフルエンサーのSNSに掲載し、24時間以内に集まった「いいね」の数を参考に製造枚数を決める。今月5日に販売した第1弾は、通販サイトの販売分をすぐ完売した。同社広報の 川治かわじ摩美さんは「個性豊かなインフルエンサーとの協業で、客層が広がった」と話す。今夏までに計8人との協業を予定している。

 ファッション動画マガジンを運営する3ミニッツ(東京)は昨年7月、自社ブランド「エイミー・イストワール」を設立した。インスタグラムで約17万人のフォロワーを持つ女性をデザイナーに招いた。

 今年2月、東京・新宿にオープンした実店舗の立地は、フォロワーの意見を参考にしたという。同社は「インフルエンサーは、フォロワーにとって親近感と憧れの両方を抱く存在。実際の購入にもつながりやすい」と話す。

 市場調査会社、トレンダーズ(東京)が昨年4月に行ったSNS利用調査(10~40代の女性829人対象)では、約半数が「SNSの投稿を見て商品を購入したことがある」と答えた。

 繊研新聞の矢野 つよし編集局次長は「SNSを効果的に使えば消費者のニーズをいち早くつかめる。インフルエンサーの発信力を服作りに取り込めばビジネスとして発展する可能性は高い。今後はブランドの特徴を損なわずに売り上げをどう拡大していくかが課題になる」と話す。