【お悩み相談】年を取り狭量に…このペースで偏屈化が進むと心配

お悩み相談は、キャリア、恋愛、仕事と子育ての両立……働く女性の悩みや不安に、人生経験豊富な「お悩みアドバイザー」が回答します。

30代前半の女性です。若い頃は「年を取ったら大人の余裕ができるのだろう。今より人に寛容に、大きな器をもって対応ができるようになるのだろう」と考えていました。 しかし現実は逆でどんどん他者に対して狭量になっています。例えば職場では、自分ですぐに調べられることをいちいち聞いてくる人に内心、イラッとします。表向きは穏やかに調べ方や解決方法を提示していますが……。また、根拠のないうわさ話をしている同僚には内心、「なぜいい年で人の評判を落とすようなことをするのか」とあきれ果てています。 若い頃は「色々な人がいるのが社会だ」「それぞれに事情があるのだろう」と漠然と考えており、そこまで狭量ではなかったように思います。 平均年齢まで生きるとしてあと50年、このペースで偏屈化が進んだら私はどうなってしまうのか、不安です。アドバイスを頂けますと幸いです。よろしくお願いいたします。(ハンドルネーム・春眠)

A. 生涯学び続ける謙虚さを

大手小町のお悩み相談に回答する映画監督の安藤桃子さん
大手小町のお悩み相談に回答する映画監督の安藤桃子さん(c)Takashi Kurokawa

様々な先輩方と接する機会の多い私ですが、監督という職業柄、人の年齢の重ね方もけっこう観察してまいりました。たしかに年を重ねるごとに、おおらかで、あたたかくなる方もいれば、どんどん固く、偏屈になる方もいらっしゃいます。

理由は一つではないと思いますが、その違いにはいくつかの特徴があると感じます。ちなみに大前提として、魅力的な「愛すべき偏屈」がいるのも確かで、だから偏屈が悪いというわけではないかもしれません。

頑固&偏屈は、世代的に受けた教育と現代社会との差も、要因としてあります。なので、今30代の春眠さんが、50年後に今の団塊の世代の偏屈さを持つかと聞かれたら、そうでもないと考えます。

また、おおらかで年を重ねるごとに輝きを増す先輩方には、いくつかの共通する点があります。それは、生涯学び続ける謙虚さを持っているということです。成長に終わりはなく、生涯を通じて進化し続ける。若い頃は憧れの先輩がいたり、尊敬の対象が存在したりしますが、年齢だけでモノ・コトを計っていると、年を取るほどに自分よりも上の人がいなくなります。

より高みを見て、自分よりも大きな存在に出会っていくことはとても大切です。“常にわくわく”新しいモノやコトに敏感で、興味津々、変化を恐れず、受け入れる。知識で「知っている」は日々、変化する人生において、役に立たないこともあります。知らないことは恥ずかしがらずに、「素直」に聞く。自分よりも若い人たちに対しても、「教えていただく」姿勢を持つなどなど、先輩から学ばせていただいたことはたくさん。

私の尊敬する先輩の言葉で、とても印象に残っているのが 「人は死ぬまで『何も知らない』、何事も嫌なこともぜんぶ『させていただく』心で生きる」。大人になっても素直に「ごめんなさい」と「ありがとう」が言えると、それだけでやわらかな人生が送れるそうです。それを聞いた時、たしかに子どもに最初に教えることを、年齢を重ねるとなかなか出来ない自分がいるな、と納得しました。

私の場合、何をしても人がかなわない大自然を前にしたり、東京タワーなど高層ビルから街を眺めて広い世界を見たりすると、とても素直になれます。

春眠さんが他人に何でも聞く人にイラッとするのは、何でも聞かれる立場になったから生じる初めてのイラつきで、噂話をする同僚にあきれるのは、そんなことをしても幸せに近づけないと知ったからではないでしょうか?

全ては年と重ねて得られた、人生経験の賜物たまものの新しい感情です。昔の自分と比較せずに、一段上がったからこそ見えてきた視野だと思って、そこを大切にしてみてはいかがでしょうか?

ところで「偏屈化しませんように」と今思われている時点で、しかもそのことを言葉にして相談され、さらにはこのような場で読者の方々と、その思いをシェアした春眠さんには、既に意識がある。偏屈化しないと思います!

偏屈化を不安に思うよりも、新しいことに目を向けられたら、きっとおおらかで豊かな50年後になるのではないでしょうか。ぜひ、理想のご自分を想像してみてください!

大手小町のお悩み相談に回答する映画監督の安藤桃子さん
安藤 桃子(あんどう・ももこ)
映画監督

1982年、東京都生まれ。高校時代よりイギリスに留学し、ロンドン大学芸術学部を卒業。その後、ニューヨークで映画作りを学び、助監督を経て2010年「カケラ」で監督・脚本デビュー。14年に、自ら書き下ろした長編小説「0.5ミリ」を映画化。同作で報知映画賞作品賞、毎日映画コンクール脚本賞、上海国際映画祭最優秀監督賞などを受賞し、国内外で高い評価を得た。「0.5ミリ」の撮影を機に高知県に移住。ミニシアター「キネマM」の代表や、表現集団「桃子塾」の塾長、ラジオ番組「ひらけチャクラ!」(FM高知)のパーソナリティーも務めている他、子どもたちが笑顔の未来を描く異業種チーム「わっしょい!」では、農・食・教育・芸能などの体験を通し、全ての命に優しい活動にも愛を注いでいる。また、有機農産物の作り手が集う出店イベント「高知オーガニックフェスタ」の実行委員長に就任。初のエッセイ集「ぜんぶ 愛。」(集英社インターナショナル)が大好評発売中。

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