【お悩み相談】育休明けの家事・育児がキツくて泣きたい

お悩み相談は、キャリア、恋愛、仕事と子育ての両立……働く女性の悩みや不安に、人生経験豊富な「お悩みアドバイザー」が回答します。

30代会社員です。昨年、育児休暇から仕事に復帰しましたが、職場は非常に協力的で感謝しています。ただ、復帰してから、疲れが蓄積していく一方です。仕事の後、急いで保育園に迎えに行き、夕飯の支度、食事、お風呂、寝かしつけまで一気に済ませています。こうなることは予想してはいましたが、非常にキツイです。その後、洗濯や掃除など毎日の家事をこなしているのですが、夫の手伝いもあまりなく、時々、「なんで私一人がこんなにがんばらなきゃいけないの?」と泣きたくなります。他のワーママがこなしているのに、自分が出来ていない……ということも悔しいです。どのような心持ちでやっていけばいいでしょうか。(ハンドルネーム:亮子)

A:母はマルチタスクのゴレンジャー。手抜きと「女優作戦」で笑顔に

大手小町のお悩み相談に回答する映画監督の安藤桃子さん
大手小町のお悩み相談に回答する映画監督の安藤桃子さん(c)Takashi Kurokawa

私もまさに、同じ葛藤を経験しています。他のワーママも同様の悩みを抱えているはず。働く母たちは、瞬時に変身する「秘密戦隊ゴレンジャー」のようです。いかにスムーズにこなせるか、タスクを同時進行でシミュレーション。誰が言ったか、「優しく、明るく、笑顔で!」という理想の母像が目の前に押し迫ってくる。そして、理想の母像から離れるほどに、無意識に自分を責めてしまいます。

亮子さんは、努力家で真面目な方なんじゃないかと察します。実は私も同じタイプなんです。出来ない自分が出てくると情けなくなり、いっぱいいっぱいになることも多々。うまくこなせていても、子供が急に発熱したり、駄々をこねたりすると、我を忘れて天国から沼に落ちてしまいます。

私の仕事は映画監督なので、本質的に昔から自分を客観視するさががあります。ある時、普段通りに家事をしていたのですが、夕ご飯の支度をしていたら、娘がいつも以上に「抱っこ、抱っこ」と足元にぶら下がってきました。いつもなら「かわいい」と思えるはずが、その日は「無理!」と感じ、その「無理!」と感じた感情に罪悪感と怒りを覚え、気付いたら手にしていたお玉を投げ捨て、キッチンで号泣していました。床にへたり込み、「もう無理〜!」と号泣する私の横で娘も号泣し始め、親子の大合唱。でも、しばらくして急にポンッともう一人の自分が抜け出して、その状況を俯瞰ふかんで眺めていました。

それは、隣で泣く娘と変わらない、小さい桃ちゃんの姿だったのです。その姿に気付いた途端、心の奥に抱えていた“いっぱいいっぱい”の自分にも「よしよし」というあたたかさがあふれ出し、自分で自分を癒やしているような奇妙な感覚になりました。子を想うからこそ、気付かぬうちにたくさんの我慢をして、ストレスをため込んでしまいがちです。そしてパンパンになるまで頑張って、小さなキッカケで破裂してしまうのかも知れません。

この日から、しんどいな、苦しいなと感じたときは、まずはその気持ちに自分が寄り添い、共感し、お茶を飲んだり、深呼吸したり、何も考えずにホッと一息出来る時間を、5分でいいので意識的に取るようにしています。

子供にとって、「いいお母さん」って何でしょう。おいしいごはんを作ってくれること? お部屋がいつもきちんと片付いていること? 一日中一緒にいてくれること? でも、おかずをもう一品作ろうとしているときに、「抱っこ〜」とせがまれ、眉間にシワを寄せ、「ママ忙しいの、あとにして!」と言ってしまったら? おかずが一品少なくても、ニコニコ笑顔で「はい、抱っこ!」のほうが子供は幸せなのかも知れません。部屋が散らかっていたって、お母さんがニコニコしていたほうが幸せなんじゃないでしょうか?

私の祖母の名言!?に「死にゃあしない!(江戸っ子風に)」(笑)というのがあり、時々これを思い出して手抜きをするようにもなりました。部屋がゴミいっぱいで死にゃあしない、手抜きごはんで死にゃあしない、でも一日中しかめっ面のお母さんだったら、心が仮死状態になっちゃう。

あと、名女優であれ!という手法もあります。職場ではあくまで妻でも母でもなく、個人としての自分。帰路に就き、家のドアの前で役柄を変換、一呼吸してエンターテイナーとしての「楽しいママ」に切り替えます。これ、意外と効果ありです。

世の旦那がたは、家事に疎い人もいるので、食事の際にお皿を運ぶ、日曜日には洗濯をするなど、一つでも役割を作ってやってもらうのはいかがでしょう?

亮子さんの悩みを受け取った私は、同じ気持ちのお母さんがいることへの安心感で涙が込み上げ、肩の力が抜けました。周囲の発言や情報よりも、ママ自身が心地よく感じられることが、何より子供の幸せにつながっているのだと思います。

大手小町のお悩み相談に回答する映画監督の安藤桃子さん
安藤 桃子(あんどう・ももこ)
映画監督

1982年、東京生まれ。高校時代よりイギリスに留学し、ロンドン大学芸術学部を卒業。その後、ニューヨークで映画作りを学び、助監督を経て2010年「カケラ」で監督・脚本デビュー。14年に、自ら書き下ろした長編小説「0.5ミリ」を映画化。同作で報知映画賞作品賞、毎日映画コンクール脚本賞、上海国際映画祭最優秀監督賞などを受賞し、国内外で高い評価を得た。「0.5ミリ」の撮影を機に高知に移住。ミニシアター「キネマM」の代表や、FM高知で、ラジオ番組「ひらけチャクラ!」のパーソナリティーも務めている。子供たちの未来を考える異業種チーム「わっしょい!」では、農業、食、教育、芸術を通し、子供たちの感性を育む活動にも力を注いでいる。

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