安藤桃子さん「You are me & I am you」みたいな感じで

2月からOTEKOMACHI「お悩み相談」のアドバイザーに加わる映画監督の安藤桃子さん。映画の撮影を機に7年前に高知県に移住し、シングルマザーとして4月から小学生になる長女を育てています。安藤さんに、子育てやアドバイザーとしての意気込みを聞きました。

高知での生活が心の安定に

――高知にほれ込んで移住されたそうですね。生活はどうですか? 

みんなでよってたかって子供を育てるコミュニティーがあります。シングルマザーで子供と2人の生活ですが、友人や近所のおばちゃん、いろんな人が手をさしのべてくれます。子供は未来を創造してゆく存在だから、我が子もよその子もみんなで一緒に育てる。「子供は大切な私たちの宝」と言ってくれる人が周りにいます。

コロナ前の、一緒に飲んで食べて、触れ合う生活は様変わりしましたし、今も日々変化しています。2020年は人類みな、いろいろなことを見直し、世界のどこにいても、大金持ちでも、主婦でも、子供でも、みんながある意味公平に命に向き合う年だったのではないでしょうか。

誤解を恐れずに言うと、周りの状況が大きく変わる時代の転換期にあっても、私の心は安定し、落ち着いていました。山、川、海などの自然が身近にあって、外を歩くと山の緑が見え、自転車に乗れば潮風を感じ、今朝とった魚や季節の野菜をいつも口にすることができる。食べものが自生する豊かな山々、水、生きる根幹の食に困らないという基本的な安心感が、心の安定につながっているのかなと思います。

映画監督の安藤桃子さん(c)Takashi Kurokawa
映画監督の安藤桃子さん(c)Takashi Kurokawa

――ご自身も30代の働く女性です。悩みをどう解決していますか?

イソギンチャクのように感受性のアンテナを立てているので、すごく傷つきやすいタイプです。心のザラツキやちくっとした感じをじっくりと味わって、経験して、映画などの作品にしていきたいという思いもありますが、大きな悩みになる前に小さな問題を解決していくようにしています。常に軽くハッピーな方へと考え、「ほっとできているかな」と、意識的に胸の内を確認するようにしています。どんな時でも、自分で自分を応援してあげたいと思っています。

――子育てについてはどうですか?

私自身、親になってみると「子供には母の手料理を食べさせなきゃだめ」「何時までに寝かせないと健康に良くない」「寝るときは、絵本の読み聞かせをしてあげるのが大事」などと、あふれる情報や誰かが言った「母像」に振り回され、自分を否定して苦しくなった時期がありました。仕事を終えて幼稚園のお迎えに行って、ご飯を食べさせて、お風呂に入れて……。

怒涛(どとう)のように続く「しなきゃいけない」「こうあるものだ」に押しつぶされて、台所で散々泣いて、考えることをやめたら楽になりましたね。娘との時間は、仕事を遮断して全力で向き合うようにしています。お風呂で裸で踊ったり、木くず粘土の「もくねんさん」の工作に本気で挑戦したり。「ママまじヤバイ」と娘にドン引きされるくらいが、自分も楽しくて結果OKかも。

全力でNiziUの縄跳びダンス踊る母

――今、はまっていることは?

娘の影響で、Kポップの魅力に遅ればせながらはまっています。もともと、アナログレコードや昭和歌謡など音楽全般が好きなのですが、Kポップは今まで距離が遠かった。子育てって、自分が食わず嫌いみたいに開けなかった扉をいとも簡単に開けて、好きなものにしてくれるところがいいなと思います。BTS(防弾少年団)をはじめ、超遅いけれどTWICEを聴き、NiziU(ニジュー)の縄跳びダンスを母は頑張って一緒に踊っています!

――アドバイザーを引き受けるに当たっての気持ちは?

よってたかってじゃないけれど、直接顔を合わせなくても寄り添えると思っています。悩みを寄せてくれる方と自分も気持ちはつながっていて、ご縁あって私が関わらせていただくお悩みは、我が事でもあると思うんです。「You are me & I am you」みたいな感じです。悩みに寄り添い、共感する自分の気持ちをひもといて、アドバイスを探していきたいですね。

(取材/読売新聞メディア局編集部 谷本陽子)

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安藤 桃子(あんどう・ももこ)
映画監督

 1982年、東京生まれ。高校時代よりイギリスに留学し、ロンドン大学芸術学部を卒業。その後、ニューヨークで映画作りを学び、助監督を経て2010年「カケラ」で監督・脚本デビュー。14年に、自ら書き下ろした長編小説「0.5ミリ」を映画化。同作で報知映画賞作品賞、毎日映画コンクール脚本賞、上海国際映画祭最優秀監督賞などを受賞し、国内外で高い評価を得た。「0.5ミリ」の撮影を機に高知に移住。代表を務めるミニシアター「キネマM」が21年リニューアルオープン予定。FM高知で、ラジオ番組「ひらけチャクラ!」のパーソナリティーも務めている。子供たちの未来を考える異業種チーム「わっしょい!」では、農業、食、教育、芸術を通し、子供たちの感性を育む活動にも力を注いでいる。

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