産婦人科医・タレントの丸田佳奈さんが9月から、OTEKOMACHI「お悩み相談」のアドバイザーに加わります。丸田さんは情報番組のコメンテーターなどでおなじみですが、現役の産婦人科医でもあり病院に勤務しています。2017年には長女を出産した丸田さんに、医師とタレントの仕事の両立やアドバイザーとしての意気込みを聞きました。
毎日が学びの時間
―――医師とタレントは、全く分野が違う仕事ですが……。
病院にいて患者さんと向き合っている時間は、普通の医者です。全くメイクもしないし、朝から夕方まで外来をやって、緊急のときは手術もするし、お産で赤ちゃんを取り上げることもあります。それ以外の時間は、タレントというよりも「医者以外の社会人」ですね。医師として勤務していると、病院と患者さんのことだけに集中するので、社会人としての視野が非常に狭くなると思っています。タレント業を本格的に始めたのは33か34歳の時でしたが、それまでは社会について、よく知らなかったんです。でも、タレント活動を通じて、いろんなことに興味を持つようになりました。今では、帰宅してニュースを見るなど、情報を得る時間が多くなっています。
―――10代の頃、摂食障害を患ったそうですね。
摂食障害をある程度克服して自分の生活を守れるようになったのが、大学に入ってからでした。ですから、中学、高校と大学受験の浪人中は、摂食障害となんとか折り合いをつけながら生活していました。思い返すと変だなと思うのですが、摂食障害だったからこそ、逆に勉強に集中できたところもあるのかなと。他のことに一切興味がなくって、親からの刷り込みもあったのでしょうが、自分のやるべきことは勉強、とひたすら勉強できたんです。
―――挫折はありましたか。
大学を休学、留年しました。ただ現実逃避したくて……子供でした。自分に甘えていただけと思います。挫折から立ち直ったのは、友達のおかげでした。その時の同級生とは、いまだに連絡を取っていますし、そこが自分の中で一番大きな絆かな。
―――仕事をしながら、結婚、妊娠・出産と経験してきました。
20代の頃は、「若すぎるから結婚はまだ」と思っていて、研修医が終わったのは30歳目前でした。「年齢的にこれ以上行くとなかなか難しくなるし、加えて女医って結婚が難しいし」と考え始めていたところ、今の主人と付き合い始めたのです。その際、「将来、絶対結婚はしないと断言するのなら、お互いの時間が無駄になるので、付き合うのはやめましょう」と言ったのですが、その潔さが新鮮だったと後から言われました(笑)。
結婚しても、妊娠するまで時間がありました。でも、子どもを産むと生活が変わりますね。近所に親がいないので、保育園のお世話になっています。仕事に関しては、主人は私のやりたいようにやらせてくれます。その分、家事は全部、私がやっています。自分のペースで、ですが。
―――読者の悩みに答えていただくわけですが、自分で悩みを抱えた時はどうしていますか。
悩みって、物理的なものよりも、対人的なことの方が多いのではないでしょうか。そのような悩みは、「少し離れて、一歩上から見る」ことが必要だと思います。相手と同じレベルに降りてしまうと、私は多分ケンカしてしまうかと(笑)。冷静になるためにも一歩離れてみると、どうすればいいのかが自ずと見えてくるのではないでしょうか。そうすると、悩みの60%くらいは「どうでもいいかな」と思うようになって、残りの40%を、どうやったらうまくいくのかと考えるようになって、精神的に楽になります。
あと、悩みを抱えている時って、気持ちが落ち込むじゃないですか。今までの経験上、時間が解決してくれるのを待ちます(笑)。とにかく時間が過ぎるまで、なんとか自分でごまかしながら生きていくしかない。時間が経てば、何かしら状況が変わるか、自分の受け止め方が変わるか……。気にならなくなるとか、とりあえずいいかって思えるようになることもあります。
―――プライベートで丸田さんに相談をする人はいますか。
いますね、年下が多いです。医療系の方ではないですね。だいたい若い女性で、キャリアや出産、結婚などで悩んでいる方が多いかな。
医者っていうのは、医師免許を取ったあと、ずっと医者をやる人が多いので、そんなに悩まないと思います。でも、ほかの業種に就いていると、たとえば「他業種で働いてみたい」「今の仕事では将来が見えない」など、様々な悩みを抱えている知人女性もいるので、そうしたことで相談されることは結構あります。
「私だったら、こう思う」とか、あとは、考え方が甘いと感じたら、はっきり「甘い」と伝えますね。「世間知らず過ぎる」という話も結構、本人に面と向かってしていますよ(笑)。
―――お悩み相談のアドバイザーとしての抱負を教えてください。
現在39歳ですが、自分より年下で、まだまだ可能性がある世代に対して、「より良い20代、30代、40代」を過ごしてもらえるヒントを伝えられたら、そして、私の考えや人生から何かを抜き取ってもらえたらうれしいです。
(取材/メディア局編集部 杉山智代乃)
あなたの悩み、アドバイザーに
相談してみませんか?